家に落書き専用の壁を作る
こんにちは。さくらこうもりと申します。
何かと自宅で過ごすことが多くなった今日この頃。
限られた空間の中でも楽しみを発掘していきたいものですよね。
というわけで、
自宅に「落書き専用の壁」を作ってみました。
今回はこの「壁」を作ることになった経緯と、実際に作って感じたことをお話しします。
「壁」ができるまで
6月某日。
新居に越してきて早2カ月半の私は、ある問題に悩まされていました。
ガラス戸からの日差し漏れが非常に眩しいのです。
引っ越した新居は南向きに勝手口があり、そこからベランダへ出られます。
洗濯物を干す際には非常に都合が良いのですが、
勝手口の向かい側にあるガラス戸から日中、強い日差しが漏れてくるのです。
このガラス戸の向こうで私は寝ているため、ゆっくり寝ていたい休日の朝などは厳しい目覚めになります。
そこで休日の安眠を守るため、
ガラス戸全面に黒画用紙を貼りました。
100均の10枚入りを2パックほど消費し、木枠で区切られた52cm×80cmのガラス6枚を完全遮光することに成功しました。
これで睡眠環境の保全は達成することができたのですが…
改めて見ると、我ながら結構綺麗に貼れていて、ただの遮光パーテーションにしておくのはいささか勿体無い気がしてきました。
ちょうど外出自粛期間で家に居ざるを得ないこのご時世、この黒い壁をうまく室内でのエンタメに利用できないか…
と、思い出したのは小学校のお昼休みの記憶。
私たちはよく黒板にアニメのキャラクターや先生の似顔絵などを描きなぐり、授業が始まって消されてしまうまでの束の間の時間、それらを眺めて悦に入っていました。
今、目の前にあるこの壁一面に落書きしたら楽しいだろうな…
部屋の壁に直接落書きしたら敷金の関係でまずいことになりますが、ガラス戸に貼った紙の上なら剥がしてしまえば問題ありません。
ということで、私はこの壁を「落書き専用の壁」にすることにしたのです。
「壁」に落書きをする
そうして迎えた休日。
「壁」に守られて快適な起床を実現した私は、「壁」への感謝込めて存分に落書きをすることにしました。
一つだけ想定外だったのが、画用紙を貼り付けて1週間ほど放置していたので、その間に梅雨の湿気で紙がベヨベヨになってしまいました。
やや描きにくいコンディションとなってしまいましたが、むしろ描きにくい場所に無理矢理絵を刻むという執念、落書き魂が刺激されるというものです。
落書きの画材は、やはりチョーク。
昔は黒板の縁に先生が残していった短いチョークを取り合って落書きしたものですが、今は手元に大量のチョークを用意してあります。
でもチョークを取り合うクラスメイトがいないというのも、いささか寂しいものですね…。
いよいよ、記念すべき第1描。
チョークが「壁」に触れた瞬間、黒一色の世界に閃光のように白い命が生まれたような感覚に陥りました。
第一描目、「山」です。
チョークを持った時に自然と頭に浮かんだものを描きました。
不思議なもので、無機質な黒い壁の隅に自分の描いた落書きがあるだけでなんとも言いようのない愛着が湧いてきます。かわいいやつめ。
この調子でどんどん描いていきます。
人工衛星。
恐竜、標識、謎の直角。
小学生の時の気持ちを思い出し、特にテーマは決めず、頭に浮かんだものを無秩序に描いていきます。
30分後。
「壁」の1/6が埋まりました。
気が付けば腕が痛い…
落書きにこんなにも体力と集中力を使うとは思いませんでした。
休憩を挟みつつ、残りを埋めていきます。
落書きに見る自分
こうして落書きをしていくと、自分の無意識にあるものが垣間見えて色々な発見があります。
気が付けば、所々に謎の生物が。
自分の無意識の中にいる住民でしょうか。
たまに色付きのチョークを使ってみたりもするのですが、いざ色付きチョークを手にすると何を描けば良いか途端に分からなくなり、ちょこっと色を付けるくらいに落ち着いてしまいます。
チョークを用いた落書きにおいては、「白一色」という縛りが逆に描きやすさをもたらしてくれているのかもしれません。
小学生の時は色付きのチョークばかりを好んで使っていた友達がいましたが、彼がいかに上級落書き者であったかが分かります。
そしてチョークが思ったよりも減らない。
約8cmのチョークが、「壁」の半分を埋めた時点で3分の1ほどしか減っていません。
張り切って36本入りを買ってしまいましたが、余りのチョークどうしよう。
また、描いている途中で袖などを擦ってしまうとこうなります。
そこそこテンションが下がります。
そうして休日をほぼ丸ごと消費すること数時間。
ついに。
「壁」の全面が落書きで埋まりました。
自分で描いた数々の落書きたち。
描いている間は個々の落書きと向き合っていたのが、こうして俯瞰して見ると、それぞれが好き勝手に散らばっていながら全体として一つの絵になっている感覚がして、なんとも感無量です。
落書きのある生活
こうして、落書きで埋まった壁が新たに生活の一部となりました。
そこはライブハウスの一角のようであり、同時に毎日帰る我が家の一隅でもあり、日常と非日常が溶け合うような不思議な空間に思えます。
ふと気の向いた時に少し描き足したり、一部を張り替えて描き直したり。
日々の気持ちに合わせて更新されていく落書きたちは、知らず知らずのうちに自分を映す鏡になっているようです。
広かったり狭かったりする日常の中で、部屋の中に取り入れるエンタメとしての落書き。
皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。
それでは、今日も素敵な日になりますように。
余ったチョークの有効な使い方をご存知の方、ご一報いただけると幸いです。